• 2023年02月02日

    【研修会報告】「口腔外科・がん関連Ⅲ 在宅訪問診療におけるがん患者への対応」

 今年度15回目となる愛知県歯科衛生士会研修会が2023年1月15日(日)にオンライン形式にて開催された。

 今回は、病院ではなく、在宅においてのがん終末期患者への関わりについて、なにわ歯科衛生専門学校 金子信子先生よりご講義いただいた。

 前半はがんについての基礎知識と人生の最後を迎える場所として、自宅と介護老人保健施設が少しずつ増加してきているとのことであった。がん終末期を自宅で迎えるにあたり、終末期医療に介入していく心構え、AYA世代と言われる15歳~39歳までの若い世代への一人、一人のニーズに合わせた支援が必要であることなど、丁寧に言葉を選びながらのご講義であった。

 後半は先生の実体験から4症例の報告であった。終末期では訪問回数も限られてくることから、口腔内の不快をなるべく緩和するような工夫が求められ、特に痛みの対処療法では著書の紹介があり、口腔内の症状により薬剤の使い分けが必要であることを学んだ。また多職種から事前の情報収集の必要性と、どのように患者、家族の思いに寄り添い支援していくことが良いか考えさせられる症例もあった。

 受講者からは「実際に在宅診療を行なう上で具体的な内容を知ることができた」「終末期の状態、患者、家族の気持ちが理解できた」「ACP、DNAR,などあらかじめの下準備の確認、多職種と連携をとりながら、状態把握をしておくことが大切」等の感想が寄せられた。また病院歯科衛生士からは「在宅移行後の様子が詳しくわかった」「「地域歯科と病院歯科の連携が大切であると日々の臨床で感じている」「がんについて理解がある歯科衛生士がより増えることを期待する」というご意見もあった。  

 今後、がん患者への在宅訪問は増加すると予想される。病院歯科衛生士のご意見からもあったように、がんについての知識と理解、がん終末期を迎える患者と家族への対応について より学ぶ必要があると感じた。愛知県歯科衛生士会では「がん」についての研修会も開催している。またこのような機会 があれば是非参加したい。

    病院歯科保健委員 図師良枝

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