2021年12月13日
【研修会開催報告】がん患者に対する歯科衛生士の対応Ⅱ 症例から学ぶがん患者への対応
今年9回目となる愛知県歯科衛生士会研修会が11月28日に開催された。
今回のテーマは「がん患者に対する歯科衛生士の対応Ⅱ 症例から学ぶがん患者への対応」
として、病院と在宅、それぞれの現場に携わる2名の歯科衛生士にご講義頂いた。
午前は病院に勤務されている木村菜摘先生(愛知県歯科衛生士会)より、がんに関わる医療の体制やがんの診断から治療の流れ、そして実際のがん治療中患者の症例を歯科衛生ケアプロセスで展開し、お話いただいた。
がん治療によって起こりうる機能障害や合併症についてわかりやすく解説頂き、術後の予後予測をしたうえで術前から患者指導を行うことの重要性について理解が深まる内容であった。
午後は在宅専門のクリニックで勤務されている合掌かおり先生(医療法人かがやき総合在宅クリニック)より、がん終末期における患者の身体変化から症状、がん終末期の患者の緩和ケアについて、実際の症例をご提示いただいた。
がん終末期の緩和ケアは患者が嬉しいことや気持ちの良いことを一緒になって考え、身体だけでなく心に対する配慮が非常に重要であること、患者さんや家族との関わり方も講義から学ぶことができた。
受講者からは、「病院と在宅の違いと問題がリアルに分かるセミナーで、面白かった」「午前、午後の講義を通して連携の必要性を実感した」「地域連携の大切さを再度考えされられた内容でした」などの感想を頂いた。
今回の研修会では、病院、在宅それぞれの臨床現場におけるがん患者への歯科衛生士の対応を学ぶことができたのではないだろうか。今後は病院、在宅、そして歯科診療所内においても歯科衛生士ががん患者に対応する機会が増えてくると予測される。
1箇所で完結することのない対応であるため、医療機関と在宅との連携を日常的に行うことが必要であると、受講者間での共通認識を持つ場になったと思う。
愛知県歯科衛生士会では、次年度以降もがん患者に対する歯科衛生士の対応について学べる時間を提供する予定である。
生涯研修担当理事 松永奈津希