2022年01月16日
【研修会開催報告】歯科衛生士が行うリスク管理Ⅰ~呼吸器の基礎知識と肺理学について~
今年度11回目となる愛知県歯科衛生士会研修会が12月12日に開催された。1日を通して、愛知県歯科衛生士会 渡邉理沙先生より「歯科衛生士が行うリスク管理Ⅰ~呼吸器の基礎知識と肺理学について~」というテーマでご講義頂いた。本研修は12月19日に開催の「歯科衛生士が行うリスク管理Ⅱ(認定更新研修)」を受講するにあたって必須受講の研修であったこともあり、たくさんの参加があった。
午前は、呼吸器の構造や生理機能に関する基本的な知識や、フィジカルアセスメントの目的や方法についてお話いただいた。解剖図を用いた渡邉先生のわかいりやすい解説により、難しい呼吸の仕組みも理解することができた。また、呼吸音の正常音と異常音を聴き比べることで、聴診方法などのフィジカルアセスメントについても理解を深めることができた。
午後は様々な呼吸器疾患の発生機序や原因、患者の病態に応じてことなる酸素療法や呼吸器の概要など、呼吸器疾患を有する患者に対する際に必要となる基礎知識について解説いただいた。排痰ケアについては、動画を供覧することで体位ドレナージやスクイージングの手法をよりわかりやすく習得できた。とくに呼吸器疾患を有する患者への介入時に留意すべきアセスメント項目は、日常臨床ですぐに活かすことができる対応が多く、実践していきたい内容が盛りだくさんであった。
受講者からは「呼吸器について歯科衛生士の目線でお話いただけてわかりやすかった。」「講義内に画像や動画も多くあり、理解が深まった。」等の意見が多く寄せられた。歯科の臨床では、呼吸状態に留意する必要のある患者への介入や、摂食嚥下に関する機能訓練など、呼吸状態に配慮を要する行為を行うことも多い。呼吸器や肺理学についての基礎知識を習得し、リスク管理できることがいかに重要であるか、今回の研修で改めて認識することができた。次回の実習研修へつながる基礎固めとして、非常に有意義な研修となった。