• 2022年09月03日

    【研修会開催報告】口腔外科・がん関連I 口腔外科の基礎知識を学ぼう!

今年度第7回目となる愛知県歯科衛生士会研修会が、8月28日(日)にオンラインで開催された。今回は「口腔外科・がん関連Ⅰ 口腔外科の基礎知識を学ぼう!」というテーマで、藤田医科大学医学部 歯科・口腔外科学講座 講師 小林義和先生にご講義いただいた。

 受講者は、北は宮城県、南は熊本県といった県外からの受講者が4分の1を占めており、研修会への関心の高さがうかがえた。  午前の講義開始前に、Zoomの機能を使ったプレテストがあり、自分がどの程度口腔外科の基礎知識があるかを確認することができた。

 講義は「糖尿病」「慢性腎臓病」「心疾患」「低栄養」「画像診断」という項目で、私たち歯科衛生士が臨床の現場で押さえておくべき採血データの見方や薬剤の種類、スケーリングやP-Curを避けるべき状態などをご教授いただいた。また、血液データは薬剤と結びつけて考えることが大切だと分かった。  

画像診断は医学歯学の必須スキルであるため、歯科衛生士も普段から画像に慣れ親しむこと、実際の解剖をイメージしながら理解することを学んだ。「パノラマかデンタルか、CTかMRIか、俺か俺以外か、、、ローランド」と冗談を交えながら、非常に丁寧に講義していただいた。CTがビートルズの印税で作られたという事実に衝撃を受けるなど、あっという間の2時間だった。  

午後の講義は、「口腔粘膜疾患と前癌病変について」「口腔癌の治療と支持療法」についてご講義いただいた。  白板症やカンジダ性口内炎などの粘膜疾患を症例写真を使ってわかりやすく説明していただいた。現在では、OPMD(口腔潜在的悪性疾患)といわれており、従来の前癌病変と前癌状態を合わせた疾患概念に変わりつつあることを知った。

口腔癌については、「癌」と「がん」の違いや頚部廓清術の症例写真の供覧があり、歯科衛生士が口腔癌の術後の回復期や慢性期で介入するポイントや薬物療法、放射線治療についてご教授いただいた。 そして講義の最後にポストテストを実施し、講義の内容が理解できているかの確認ができた。受講者からも、講義前後にテストを実施することで、自分の理解度が良くわかったと好評であった。

今回の研修会の講義の内容を参考に、臨床でトレーニングを積んでスクリーニングスキルを上げていきたい。                  

病院歯科医療委員会 磯貝 由佳

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