2022年09月02日
【研修会報告】 摂食嚥下障害の基礎知識Ⅱ 摂食嚥下のスクリーニング・精密検査を理解しよう!
今年度第6回目となる愛知県歯科衛生士会研修会が8月21日(日)に開催された。
今回は「摂食嚥下障害の基礎知識Ⅱ 摂食嚥下のスクリーニング・精密検査を理解しよう!」というテーマで、朝日大学歯学部 摂食嚥下リハビリテーション学分野 准教授 谷口裕重先生にご講義いただいた。
午前の講義は、最近のトピックスでもある、サルコペニアに起因した摂食嚥下障害についての解説があった。理解する際のポイントとしては、全身・栄養・口腔のそれぞれの視点から咽頭を考える必要があることと、今後は摂食嚥下障害の病態が複雑化してくるとのことが挙げられた。そのため、全身疾患に関する多様な知識がますます必要となってくると感じた。また、歯科衛生士は、多職種とのコミュニケーションや連携をとれる職種として役割を果たす必要性を感じた。
午後は、「摂食嚥下の基礎知識Ⅰ」(7/24の研修会)で学んだ解剖生理や嚥下モデルを理解したうえで VE・VFそれぞれの精密検査の概要、病態別の画像の比較の解説があり、ZOOM のチャット機能を利用した症例の問題分析をおこなった。 症例対象者は、比較的元気な高齢男性だったが、問診やスクリーニングから問題点の糸口となるものが抽出されてきた。臨床でも来院される患者の変化や摂食嚥下に関する訴えを拾い上げ、口腔だけでなく全身や栄養に関する観点も持ちながら、今後は対応していきたいと感じる研修会だった。
受講者の割合は、県外受講者(56%)が愛知県 DH 会会員(44%)を上回る結果となった。
※県外内訳 熊本、群馬、香川、高知、埼玉、三重、鹿児島、新潟、静岡、福岡、兵庫、北海道
受講者の感想には、昨年度からのリピーターの方もあり、先生のわかりやすく楽しい講義は、毎年好評である。開業医勤務の方からは、日ごろ嚥下に携わる機会が少ないが知識の習得ができた良かった。「摂食嚥下の基礎知識Ⅰ」(7/24 の研修会)から続けて受講された方からは、前回講義中の対応方法を施設スタッフと共有したところ、摂取量アップにつながったとの報告もあった。 今後も、受講者のニーズや受講者に喜んでいただける研修会を企画していきたいと考えている。
生涯研修委員会 塚本圭子