2022年12月23日
【研修会報告】歯科衛生士が行うリスク管理Ⅱ 咽頭吸引(実習付)
今年度14回目となる愛知県歯科衛生士会研修会が12月18日に、愛知学院大学にて集合型で開催された。本研修は12月11日に開催された「歯科衛生士が行うリスク管理Ⅰ 呼吸器の基礎」の内容を踏まえて、肺理学療法や咽頭喀痰吸引の実習を伴う研修会である。当日は17名の受講者と愛知県歯科衛生士会の会員で、関連学会の認定歯科衛生士を取得しているものがインストラクターとして参加した。
午前は渡邉理沙先生にご講義いただき、酸素療法や肺理学療法(排痰ケア)、歯科衛生士が咽頭喀痰吸引を行うことができる法的根拠、吸引時の留意点など咽頭喀痰吸引を実施する上でのリスク管理についてお話いただいた。
午後は窒息の対応についてお話いただいたあと、3グループに分かれて「スクイージング」「咽頭吸引モデルを用いた鼻腔・咽頭吸引」「カテーテル挿入体験(自己、相互)、人形を使用した気管吸引」の実技実習を実施した。実際の手技やカテーテルの挿入操作を体験することでイメージしやすく、より深く理解することができた。また、相互実習や少人数のグループに分かれて実習を行ったことにより、受講者からの質問なども盛んに飛び交っていた。 吸引は合併症のリスクがあり苦痛を伴う処置であるため、適応となる状態を理解し、アセスメントすることが重要である。また、直接目視できない部位の操作であり、解剖を理解しておくことも重要である。VEでの痰が貯留している写真や動画は受講者の目にしっかりと焼き付いたであろう。 そして、実際に患者に実施する前に自分自身や職場のスタッフ同士などで十分に練習し、自信をつけることが大切である。
コロナ渦において当会の研修会もオンライン研修会が主流となっているが、今回の研修会のように実習でしか得られない知識や技術もある。感染対策に十分配慮し、今後も集合型研修会を開催することが望まれる。 最後に今回の研修会開催に当たり、ご尽力いただいた関係者の皆様には心から感謝申し上げる。
病院歯科保健委員会 石本多実