2022年12月23日
【研修会報告】歯科衛生士が行うリスク管理Ⅰ呼吸器の基礎
今年度13回目となる愛知県歯科衛生士会研修会が12月11日(日)にオンラインで開催された。今回は、愛知県歯科衛生士会 柴田享子先生より「歯科衛生士のリスク管理Ⅰ 呼吸器の基礎」というテーマでご講義いただいた。
口腔ケアの際、患者を前にしてまず何をするのかという問いに対して、口腔内をみる前に頭頚部の硬縮、顔貌や皮膚など全身をみる、肩に触れるなど呼吸をみる、脳梗塞や肺炎の既往があるなど患者の状態を理解するなど、医学知識が必要であると学んだ。
午前の部では呼吸器の解剖と生理について、気管支や肺胞・肺の構造や機能、呼吸筋や横隔膜・胸郭の動きを詳細にわかりやすくお話しいただいた。呼吸をみるということは、解剖と生理を理解し何処で何が起こっているのか分からなければ、みているとは言えない。
午後の部では呼吸アセスメントについて、呼吸の観察ポイントや胸部・頚部の聴診方法、異常呼吸や肺音・ラ音の分類、パルスオキシメータの種類や注意点、呼吸器疾患などをお話しいただいた。ケアを必要とする患者に対して呼吸アセスメントをおこなうには正しい評価と分析が求められる。観察ポイントは個別性があるため対象者の正常値や平均値を知っておく必要があり、他職種や家族と共通理解を持つことも重要となる。異常音の聞き分けについては、日々の臨床においても経験を積まなければならないと思った。
今回の受講者は既に聴診や吸引をおこなっている者から、今後実践していく者、スキルアップや単位習得目的の者など、活動の場はさまざまであったが、理解を深めること振り返ることができた本研修会は、自己研鑽の場として有意義な時間を共有できたと感じた。 今回の研修会で得た知識を、次回の「歯科衛生士のリスク管理Ⅱ 吸引実習」に活かし、実践を通して身に付けていきたい。
病院歯科保健委員 岩瀨賀惠