2023年07月06日
【研修会報告】限られたチェアタイムで個々の患者に適した介入をするには? -問題点の把握から業務記録の書き方まで- 基礎編、実践編
今年度は6月11日より、愛知県歯科衛生士会の研修会が開催されている。
初回の研修会は「限られたチェアタイムで個々の患者に適した介入をするには? -問題点の把握から業務記録の書き方まで-」と題し、基礎編はオンデマンドにて、実践編は集合型にて受講する形式をとった。これは、当会でも初の試みとなった。
6月11日からの基礎編(オンデマンド受講)は、三重県公衆衛生学院の前田尚子先生にご講義をいただいた。「歯科衛生ケアプロセス」と聞くと苦手意識を持つ方も多いではないだろうか。歯科衛生過程は、対象者が抱える問題やニーズを明らかにし、根拠に基づいた関わりや他職種との情報共有を行うために必要なツールであるということ、また業務記録の書き方などについて、分かりやすくご講義いただいた。また、受講者からはオンデマンド配信であったため、繰り返し視聴することで、理解の定着につながったとの意見もいただいた。
続いて、7月2日の実践編(集合型形式)は、医療法人社団皓歯会 主任/九州歯科大学歯学部 口腔保健学科 特別教員の溝部順子先生にご講義いただいた。日々の限られた時間の中で、患者の問題点をとらえ介入計画を立てることを目指し、情報収集の方法、情報の分類、計画立案、SOAPの書き方を、開業医勤務と病院勤務のグループに分かれ、実際に計画立案した内容を発表し、受講者全員で共有し学びを深めた。
新型コロナウイルス感染症が第5類に分類されてから、今年度は集合型研修を多く企画している。受講者からのアンケートには「同じような職場ではたらく仲間と意見交換ができた」「つながりができてよかった」「直接、先生からアドバイスを頂けたので自信がついた」など、コロナ禍ではなかったような、前向きな意見を多くいただいた。また、研修会が終了しても帰る方はなく、受講者同士の交流が行われていた。
基礎的な知識を机上で学ぶことも大切であるが、その知識を実践的にアウトプットしていくことで、より理解が深まると考える。引き続き、受講者の意見を取り入れた研修会を企画していこうと考えている。
歯科衛生士定着委員 小林由紀子