2023年08月08日
【研修会報告】摂食嚥下に関わる疾患について学ぼう!脳血管疾患、神経筋変性疾患、認知症
2023年7月23日(日) 愛知県歯科衛生士会の研修会がオンラインにて開催された。
今回は、オンラインということもあり、県外からもたくさんの方にご参加いただいた。
テーマは「摂食嚥下に関わる疾患について学ぼう!脳血管疾患、神経筋変性疾患、認知症」であった。
午前は、北海道医療大学歯学部摂食嚥下機能療法学分野 教授 飯田貴俊先生に「脳血管疾患と神経筋変性疾患」についてご講義いただいた。
最初に、食支援に関わる人は、まず「原疾患をざっくり分類して対応する人」を目指しましょうとのご提案があった。疾患のタイプや経過、分類等を理解し、どんなステージにいて、どんなスタンスで接するかがいちばん大切であるということについて、お話しいただいた。
また、実際の在宅で過ごされている方の中には、嚥下障害が改善されているにもかかわらず、そのことに誰も気付かず、経管栄養のままの方がいらっしゃると考えられる。おしゃべりに問題が無い場合など、もしかしたら食べられるかもという、視点を持つことの重要性に気付くことができた。
歯科衛生士として、全身疾患の特性を知り、その状況に合った対応をすることができるように、今後も学んでいく必要があると痛感できるご講義であった。
午後は、グループホームDD学園前中川祐美先生より「認知症」についてのご講義であった。
グループワークを交えて「認知症の理解」、症例を交えて「認知症の症状と食事」、「アルツハイマー型の終末期の食支援の症例」にて、歯科衛生士としてどう評価するのか?最後までお口から食べてもらう喜びにどう繋げるか?という内容で、ご講義いただいた。
グループワークでは、自己紹介の仕方によって受け取り方が異なってくることを体験できた。また、歯科受診に対して拒否のある症例に関して、グループ内で積極的に意見交換することができた。
先生からは、「最後まで口から食べる楽しみを持ち、生きる喜びに繋げたい、そのための口腔機能の評価と支援が出来る専門職は、我々歯科衛生士であり、求められている職種である。」とのお話があった。今後は多角的に物事を見ることが出来るよう、日々研鑽することを求められているのだと感じた。
摂食嚥下に携わる歯科衛生士にとって、今後の学びの参考になる貴重なご講義であった。
高齢者医療福祉委員 川田佐代子