2021年01月06日
研修会「歯科衛生士にも分かりやすいがんの病態と支持療法 緩和・終末期の知識」、「症例から学ぶがん患者への支持療法とがん終末期への対応方法」開催報告
今年度4回目の愛知県歯科衛生士会研修会が10月18日に開催された。
講義前半は石本多実先生(安城更生病院 歯科口腔外科)を講師に迎え「歯科衛生士にも分かりやすいがんの病態と支持療法 緩和・終末期の知識」をテーマに、がんの病態や治療の流れ、薬物療法中の口腔有害事象や治療開始前からの患者の口腔健康管理の重要性について講義いただいた。
終末期患者の身体的・精神的変化の解説とともに、終末期患者に対してどう関わるか石本先生のご経験を交えながら、分かりやすくお話いただいた。
後半は松木里沙先生(名古屋徳洲会総合病院 歯科口腔外科)を講師に迎え「症例から学ぶがん患者への支持療法とがん終末期への対応方法」をテーマに講義いただいた。
同一患者が、手術を受け、その後薬物療法を行い、緩和ケアに移行するまでの過程を、実際の症例で提示していただき、各ステージにおけるアセスメントや介入方法について解説いただいた。症例提示の途中では、講師から、考えられる問題点を受講者へ投げかけ、Zoomのチャット機能を活用して受講者とディスカッションを行った。
また、実際に患者と関わった中でのエピソードや「ひとりの人として目の前の患者に寄り添い受け止める」という松木先生の言葉も非常に印象深く、改めてがん患者との関わり方について考える研修会となった。
受講者からは、「講師のお二人の臨床での経験や感じたことをお話していただき、がん患者との関わり方を勉強させていただいた」「症例検討やディスカッションを行うことで様々な職場で働く歯科衛生士の考えに触れることができてよかった」等の感想が寄せられた。
病院に限らず、在宅での看取りを希望する患者も増えており、訪問診療ではそれらに対応する需要が増えることと思う。愛知県歯科衛生士会では、訪問診療に関わる歯科衛生士が受講することも念頭に置きながら、今後もがんに関連する研修を企画していきたい。
オンラインでの開催については「遠方からでも参加しやすい」「オンラインの方が発言しやすい」「受講者の皆さんと同時に意見共有できる」等のご意見をいただいている。
今後もオンラインのメリットを活かしつつ、より良い研修会の開催へ尽力していきたい。