• 2024年01月11日

    【研修会報告】歯科衛生士が行うリスク管理Ⅱ 吸引実習

12月17日(日) 歯科衛生士が行うリスク管理Ⅱの研修会が開催された。咽頭喀痰吸引の実習を含むこの研修会は毎年好評であり、受講者32名のうち約半数が非会員で、県外からも多数参加いただいた。

 渡邉理沙先生(愛知県歯科衛生士会)の講義により、午前中は酸素療法、肺理学療法(排痰ケア)、吸引実施者の要件に沿った基礎知識、窒息に関する基礎知識について、動画を交えながら学び、午後からは窒息したときの徴候と対処法についての説明の後、咽頭喀痰吸引と肺理学療法の実習を行った。

 実習は3つのグループに分かれ、肺理学(相互でスクイージング)、人形を使った咽頭喀痰吸引(口腔・鼻腔)、カテーテル挿入体験(カテーテル自己挿入と気管切開部の吸引)をそれぞれインストラクター指導の下で行った。

 実習中はグループ間で意見交換したり、指導者へも積極的に質問したり、模型を確認しながら解剖を学んだりなど、受講者の活気的な姿がみられた。

 アンケート結果より、講義の内容や資料がわかりやすかった、実習を行うことでより理解できた、患者としての苦痛も味わうことができた、スクイージングが難しかった、わからないところを直接質問できた等の感想が多く寄せられた。

まとめでは、喀痰吸引を実施するうえで重要なことは、法的根拠を理解し喀痰吸引の実施適応を判断できることや、実践するための手技を習得することが必要で「家族や職場のスタッフ同士で十分練習をしてから実践すべき」と締めくくられた。

 喀痰吸引の手技を習得することはもちろんのこと、侵襲性の高い処置に対してアセスメントを適切に行うこと、患者の状態変化の把握にも細心の注意を払いながら、常に意識して実践できるように日々研鑽しなければならないと気が引き締まった。

 病院や高齢者施設、訪問歯科診療等に携わる歯科衛生士が増える中、喀痰吸引は患者と自分自身を守る行為であり、適正な知識と技術を学べる貴重な講義であった。

愛知県歯科衛生士会会員

谷川 紀子

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