2024年08月07日
【研修会報告】口腔機能に関する業務記録の書き方とは?-歯科衛生過程を理解しよう!-
2024年7月7日(日)~21日(日)、愛知県歯科衛生士会の研修会がオンデマンドにて開催された。
講師に東京歯科大学短期大学より菅野亜紀先生をお招きし、「口腔機能に関する業務記録の書き方とは?-歯科衛生過程を理解しよう!-」というテーマでご講義いただいた。
本研修会は、今年度初めての歯科・医療従事者向け動画サイトであるIOCiL(イオシル)とのタイアップ研修であった。オンデマンド研修であることも相まってか、愛知県内のみならず、全国から105名と多くの受講者を記録した。また、歯科衛生士の教育として歯科衛生過程が組み込まれていなかった卒後20年以上経過する年代の受講者が77%に上り、関心の高さがうかがえた。
講義では業務記録の目的から、SOAP形式での記録方法について学び、それを歯科衛生過程へと繋げ書面化する方法を学んだ。歯科衛生過程とは、歯科衛生士が「対象者の抱えている問題を明確化し、問題の解決方法を計画し、介入していく為に必要な一連の思考と行動のプロセス」を意味する。これは、私たち歯科衛生士は日常臨床の中で知らずのうちに考え・行動していることそのものであるが、いざ歯科衛生診断文として書こうとすると途端に苦手意識が生じるのは多くの歯科衛生士が感じる部分であろう。
しかしながら、アセスメント、歯科衛生診断(問題の明確化)、計画、実施、評価それぞれの段階を考え、書面化していくことは、対象者に関わる他の職種との情報を共有し、歯科衛生士の根拠のある介入を示すためにも重要である。ひいては、歯科衛生士の専門性を高め、多職種の中でも認められることへ繋がることは間違いなく、ぜひ多くの歯科衛生士と共に学び、実践していきたいと感じる講義であった。
生涯研修委員会 田中紘子