2025年02月09日
【研修会報告】歯科衛生士が行うリスク管理② 吸引実習(実習付き)
2025年1月25日(日)に愛知学院大学薬学部棟で愛知県歯科衛生士会研修会が開催された。
今回は、「歯科衛生士が行うリスク管理② 吸引実習」というテーマで医療法人静心会 桶狭間病院 藤田こころケアセンターの渡邉理沙先生にご講義いただいた。
午前の部では、根拠を持って安全に吸引を行うために、疾患や呼吸不全、酸素療法、吸引に関する法律・合併症など基礎知識について解説が行われた。
ひとつに酸素療法といっても、この患者さんはなぜ酸素療法が必要となり、どんな疾患の治療中なのか、高流量か低流量か、どんなデバイスを用いているのかなど、把握すべき情報が沢山あることが分かった。
また、吸引は第一選択ではなく、①加湿、②体位ドレナージ、③咳嗽介助・スクイージング・ハフィングを行っても改善が見られない場合に、行う行為だと説明があった。
午後の部では、3グループに別れ①スクイージング(相互実習)、② 模型での吸引実習 、③鼻腔への吸引カテーテル挿入(相互実習)が順番に行われた。
また、窒息時の徴候と対処法などについて学んだ。
実際に実習を行うことで、「吸引チューブが喉頭蓋に当たる感覚が分かった」「実際に吸引される側の気持ちが分かって役に立った」など、好評な感想が多く聞かれた。
吸引は安易に行うのではなく、解剖学の知識や合併症が生じた際の対処法など、実施者の要件を満たす必要がある。
健康な対象者で複数回練習を行い、緊急時に医療従事者として自信を持って対応できるように、普段から準備しておく必要があると考える。
生涯研修委員 佐藤穂香